インストール
DigitalBase をサーバ / PC に導入し、起動するまでを行います。バックエンドは API とフロントエンドを同梱した単一構成で、ポート 8000 で動作します。
導入方法の一覧
| 環境 | スクリプト | バックエンド | インストール先 |
|---|---|---|---|
| Linux | install-linux.sh | Ollama | ~/.local/db |
| macOS | install-macos.sh | Ollama | ~/.local/db |
| Windows | install-windows.ps1 | Ollama | %LOCALAPPDATA%\db |
| Linux + GPU | install-linux-vllm.sh | vLLM | ~/.local/db |
| Docker | install-docker.sh | vLLM / Ollama | ~/digitalbase(/app/data にマウント) |
| Linux(パッケージ) | digitalbase-<arch>.deb / .rpm | Ollama / vLLM | /opt/digitalbase |
Bare Metal は単一バイナリ、Docker は単一イメージです。バックエンドは .env の LLM_BACKEND(vllm / ollama)で切り替わります。
使い分けの目安: 手元の 1 台にすぐ入れるならスクリプト(curl | bash)、既存のコンテナ基盤に載せるなら Docker、社内 IT の構成管理(Ansible 等)やオフライン持ち込みで配布するなら deb / rpm パッケージが向いています。
事前に必要なもの
| 用途 | 必要なもの |
|---|---|
| データベース | PostgreSQL 16 以降 + pgvector 拡張(RAG 用) |
| ローカル LLM | Ollama(Ollama 版)/ NVIDIA GPU + CUDA(vLLM 版) |
| 文字認識 | Tesseract OCR(画像・PDF の文字認識) |
| 文字起こし(任意) | FFmpeg(文字起こしを使う場合のみ) |
事前の環境設定
RAG(ナレッジ検索)にはベクトル拡張 pgvector を入れた PostgreSQL が必要です。インストーラはユーザー・DB の作成と拡張の有効化(bootstrap)を行いますが、PostgreSQL 本体と pgvector パッケージは事前に用意してください。OCR の日本語データもここで入れます。
Linux(Ubuntu / Debian)
sudo apt install -y postgresql tesseract-ocr tesseract-ocr-jpn
sudo apt install -y postgresql-$(psql -V | grep -oE '[0-9]+' | head -1)-pgvector # PG のバージョンに合わせる
Ollama 版はローカル LLM の Ollama も入れます。
curl -fsSL https://ollama.com/install.sh | sh # Ollama 版のみ
macOS
brew install postgresql@17 pgvector ollama tesseract tesseract-lang # 既存の対応版があればそれでよい
Windows(管理者 PowerShell で実行)
irm https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/setup-windows.ps1 | iex
PostgreSQL / Ollama / Tesseract を winget で導入し、pgvector を配置します。apt / brew のない Windows では、このスクリプトが環境設定を担います。pgvector の配置に管理者権限が必要なため、必ず 「管理者として実行」 で実行してください。この手順を行わないと RAG(ベクトル検索)が無効化され、本製品の主要機能が使えません(pgvector 同梱の Docker 版を使う方法もあります)。
既存の PostgreSQL / RDS 等を使う場合は、.env の DATABASE_URL を向け先に書き換えます(その場合はユーザー・DB の作成と pgvector の用意を DBA に依頼してください)。
Bare Metal(Ollama / vLLM)
OS に応じて実行します。
Linux(Ollama)
curl -fsSL https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/install-linux.sh | bash
macOS(Ollama)
curl -fsSL https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/install-macos.sh | bash
Windows(Ollama, PowerShell) — 先に上の「事前の環境設定」(setup-windows.ps1)を管理者で実行しておいてください。本体は通常ユーザーで実行できます。
irm https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/install-windows.ps1 | iex
Linux + GPU(vLLM)
curl -fsSL https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/install-linux-vllm.sh | bash
vLLM 版はインストール先・運用コマンドが Ollama 版と同じ(~/.local/db / db コマンド)で、.env の LLM_BACKEND=vllm で動作します。初回起動時に HuggingFace からモデルをダウンロードします。
パッケージ(deb / rpm)
Linux 向けに deb / rpm パッケージも配布しています。OS のパッケージ管理に載るため、社内 IT の構成管理(Ansible / Puppet 等)やオフライン環境への持ち込み配布に向いています。事前準備(PostgreSQL + pgvector、Ollama など)は上の「事前の環境設定」と同じです。
# Ubuntu / Debian(arm64 の場合はファイル名を digitalbase-arm64.deb に)
curl -LO https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-latest/digitalbase-amd64.deb
sudo apt install ./digitalbase-amd64.deb
# RHEL / Rocky / AlmaLinux
curl -LO https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-latest/digitalbase-amd64.rpm
sudo dnf install ./digitalbase-amd64.rpm
改ざん確認(任意):
curl -LO https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-latest/digitalbase-amd64.deb.sha256
sha256sum -c digitalbase-amd64.deb.sha256
パッケージは以下を行います。
- 本体を
/opt/digitalbaseに、設定を/etc/digitalbase/.envに配置(初回にJWT_SECRETを自動生成。更新時に.envは上書きされません) - systemd サービス
db.serviceを登録(db start/db stop/db status/db logsのdbコマンドも同梱) - PostgreSQL が起動していれば DB ユーザー・データベース・pgvector 拡張を自動作成(未起動ならスキップし、後から再インストールで実行可)
インストール後は /etc/digitalbase/.env を確認し(vLLM 版は LLM_BACKEND=vllm に変更)、db start で起動します。ライセンスは /opt/digitalbase/license.lic に配置するか、管理画面の「登録管理」からアップロードします。
- アップデート: 新しいパッケージを同じコマンドで入れ直します(データ・
.envは保持) - バージョン固定: URL の
vite-latestをvite-<バージョンタグ>に変えると特定バージョンを取得できます - アンインストール:
sudo apt remove digitalbase/sudo dnf remove digitalbase(データ/opt/digitalbase/filesと設定/etc/digitalbaseは残ります)
Docker
単一イメージ lmlight/digitalbase:latest を使用します。PostgreSQL(pgvector)と LLM(vLLM / Ollama)はイメージに含まれないため別途用意してください。
# vLLM 版(既定)
curl -fsSL https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/install-docker.sh | bash
# Ollama 版
curl -fsSL https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/install-docker.sh | EDITION=ollama bash
install-docker.sh はイメージ取得・.env 生成・PostgreSQL(pgvector)コンテナ起動・アプリ起動までを自動で行います。データは既定で ~/digitalbase(DB_INSTALL_DIR で変更可)に保存され、コンテナの /app/data にマウントされます。
手動でのデータベース作成
既存の PostgreSQL(RDS 等を含む)を使う場合の準備です(下の「手動 docker run」でも実施します)。アプリの DB ユーザーは一般ユーザーのため、データベース・ユーザー・pgvector 拡張は自分では作成できません(特に CREATE EXTENSION は superuser 必須)。superuser/DBA が一度だけ実行してください。
同梱スクリプトを実行(最も簡単。role/database/pgvector 拡張/schema を superuser 権限の自動判別で作成):
curl -fsSL https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/db_setup.sh | DB_PASS=<任意のパスワード> bash
または superuser で手動 SQL:
CREATE USER digitalbase WITH PASSWORD '<任意のパスワード>';
CREATE DATABASE digitalbase OWNER digitalbase;
\c digitalbase
CREATE EXTENSION vector; -- superuser 必須。RAG(ベクトル検索)の前提
スキーマ(approval / datalake / helpdesk / log / pgvector / vision)・テーブル・初期管理者はアプリ起動時に自動作成されます。
CREATE EXTENSION vector を行わないと、起動時の RAG 用テーブル作成(vector 型)でスキーマ生成が失敗します。pgvector 同梱の自動経路(install-docker.sh)はこの作成まで自動で行うため、既存 PostgreSQL を使わない場合はそちらが簡単です。
手動 docker run(既存インフラへ組み込む)
既存の PostgreSQL と vLLM / Ollama がある場合は、アプリのコンテナだけを起動できます。先に 手動でのデータベース作成 を済ませ、DATABASE_URL をそのユーザー・パスワード・DB 名に合わせてください。
mkdir digitalbase && cd digitalbase
cat > .env <<EOF
LLM_BACKEND=vllm
DATABASE_URL=postgresql://digitalbase:digitalbase@host.docker.internal:5432/digitalbase
VLLM_BASE_URL=http://host.docker.internal:8080
VLLM_EMBED_BASE_URL=http://host.docker.internal:8081
JWT_SECRET=$(openssl rand -hex 32)
OAUTH_ENCRYPTION_KEY=$(openssl rand -hex 32)
AUTH_MODE=local
EOF
cp /path/to/license.lic ./license.lic
docker run -d --name digitalbase-app \
-p 8000:8000 --env-file .env \
-v "$PWD":/app/data \
--add-host=host.docker.internal:host-gateway \
--restart unless-stopped \
lmlight/digitalbase:latest
スキーマ・テーブル・初期管理者は起動時に自動作成されます(上記のデータベース・ユーザー・pgvector 拡張は作成済みであることが前提)。Ollama 版は .env を LLM_BACKEND=ollama / OLLAMA_BASE_URL=http://host.docker.internal:11434 に変更します。
同ホストの PostgreSQL が localhost のみ待ち受ける設定だと host.docker.internal からは繋がりません。--network host にして DATABASE_URL を @localhost:5432 にするのが簡単です。
Kubernetes
専用 chart は配布していません。Docker Hub の lmlight/digitalbase:latest を引き、自前の manifest で配備してください(環境変数は Secret / ConfigMap、/app/data は PVC でマウント)。
起動・停止
| 環境 | start | stop | ログ | SSH 切断後 |
|---|---|---|---|---|
| Bare Metal(Linux) | db start | db stop | db logs | 稼働継続(systemd管理、クラッシュ自動復帰) |
| Bare Metal(macOS) | db start(前景実行) | db stop | 前景にそのまま出力 | 停止(tmux等の中で実行を推奨) |
| Docker | docker start digitalbase-app | docker stop digitalbase-app | docker logs -f digitalbase-app | 稼働継続(--restart unless-stopped) |
Linux は install 時に systemd サービス db.service を登録します(失敗時のみ macOS と同じ前景実行にフォールバック)。
アクセス
| 経路 | URL |
|---|---|
| ローカル | http://localhost:8000 |
| LAN | 起動時に LAN IP が表示され、他の PC / モバイルからアクセス可 |
→ ログイン画面が表示されます。初回ログインは初期設定に進んでください。 社内ネットワークでの公開・ホスト名設定はネットワーク / 動作環境を参照してください。
ライセンスは、管理画面の「登録管理」タブからもアップロードできます(詳細: ライセンス)。
データベース(自動セットアップ)
インストーラが DB に対して行うのは bootstrap(superuser でのみ可能な次の3つ)だけです。
- DB ユーザー作成(
digitalbase) - データベース作成(
digitalbase、owner = 同ユーザー) - pgvector 拡張の有効化(
CREATE EXTENSION vector。失敗時は RAG を無効化して起動を継続)
スキーマ・テーブル・インデックス・初期管理者ユーザーは、初回起動時に冪等に自動作成されます(アップデート時の列追加・移行も自動。再インストールしてもデータは保持されます)。手動操作は不要です。
- スキーマ構成:
public/approval/helpdesk/vision/log/datalake/pgvector - 既存 DB に向ける場合は
.envのDATABASE_URLを書き換えます(上記3つは DBA に依頼)。air-gapped などで事前にテーブルまで投入したい場合のみ、db_setup.shを superuser で実行します。
アップデート
同じインストールコマンドを再実行します(データは保持され、.env は上書きされません)。Docker の場合は docker pull lmlight/digitalbase:latest を実行してから再インストールします。各バージョンの変更内容は更新履歴を参照してください。
追加コンポーネント
本体とは別にインストールするオプション機能です。未導入でも本体は動作し、対応する機能だけが無効になります。
文字起こし(Whisper)
音声・動画の文字起こしに必要です。FFmpeg と Whisper モデルを導入します。
| OS | FFmpeg |
|---|---|
| macOS | brew install ffmpeg |
| Linux | sudo apt install -y ffmpeg |
| Windows | インストーラが winget で導入 |
# macOS / Linux(デフォルト tiny。末尾でモデル指定可: base / small / medium / large)
curl -fsSL https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/install-transcribe.sh | bash -s -- small
# Windows
irm https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/install-transcribe.ps1 | iex
インストール後、DigitalBase を再起動するとサイドバーに「文字起こし」が表示されます。導入状態は管理画面 > 登録管理 で確認できます。モデルを変更する場合は rm -rf ~/.local/db/models/whisper を実行してから再インストールします。
RTX 50 シリーズ (Blackwell) は標準ではプリビルドバイナリ未対応のため、CPU 処理にフォールバックします。GPU を使う場合は CUDA Toolkit 12.8 以上を入れてソースからビルドが必要です。
Office画像化(LibreOffice)
PowerPoint などの Office 文書をページ画像に変換し、「ベクトル処理」「高精度画像処理」でグラフ・図・レイアウトを読めるようにします。未導入時は同じ文書がテキスト抽出で処理されます(ディスク約 400〜700MB、常駐プロセスなし。Docker イメージには同梱済み)。
# macOS / Linux
curl -fsSL https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/install-office.sh | bash
# Windows(winget で LibreOffice を導入)
irm https://pub-a2cab4360f1748cab5ae1c0f12cddc0a.r2.dev/vite-scripts/install-office.ps1 | iex
導入状態は管理画面 > 登録管理 の「Office画像化」で確認できます(DigitalBase の再起動は不要)。Linux で root 権限が無い環境では AppImage を ~/.local/db/tools/ に配置します(スクリプトが手順を表示します)。実行ファイルのパスを明示する場合は SOFFICE_PATH(環境変数)を設定します。
アンインストール
Linux / macOS
rm -rf ~/.local/db && sudo rm -f /usr/local/bin/db
Docker
docker rm -f digitalbase-app digitalbase-postgres
docker network rm digitalbase-net
rm -rf ~/digitalbase
Windows
Remove-Item -Recurse -Force "$env:LOCALAPPDATA\db"
ディレクトリ構造(Bare Metal)
~/.local/db/ # データ実体(Docker は ~/digitalbase)
├── api # バイナリ(API + フロントエンド同梱)
├── .env # 設定
├── license.lic # ライセンス
├── files/ # ユーザーファイル
└── start.sh / stop.sh # 起動・停止スクリプト